水道技術経営情報
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160124 平成28年寒波 Cold Wave in Kyushu

災害の概要

  • 場所 日本海側、特に水道管凍結対策のない九州を中心に被害
  • 時期 2016年1月24日未明から25日にかけて被災、収束までおよそ10日。
  • 分類 寒波

 123日から25日にかけて強い冬型の気圧配置となり、上空には平年より10度以上低い寒気(九州の上空1500メートル付近で氷点下12度以下)が入り、西日本から東北地方にかけての日本海側を中心に大雪。積雪が、長崎市17センチ、鹿児島市14センチ、山口市11センチなどで、奄美大島では24日に、明治34212日以来115年ぶりの降雪を観測。除雪作業中の事故等で死者6人、重傷者21人等の被害。水道は、寒波の経験のない地域を中心に、21府県で水道管凍結・破裂と断水の被害。

日時 水道被害 対応状況
160123
  • 【災害発生】
  • 長崎県災害警戒本部設置
  • 事業体によってはHPで水道管凍結注意呼びかけ
160124
160125
  • 静岡県浜松市 110戸
  • 静岡県森町 15
  • 三重県熊野市 20
  • 奈良県吉野町 4戸
  • 和歌山県田辺市 32
  • 和歌山県九度山町 5戸
  • 和歌山県かつらぎ町 27
  • 和歌山県岩出市 2戸
  • 鳥取県米子市 74,475
  • 鳥取県倉吉市 164
  • 鳥取県大山町 164
  • 鳥取県伯耆町 50戸
  • 鳥取県江府町 191
  • 鳥取県南部町 10戸
  • 島根県江津市 4戸
  • 島根県浜田市 51,050
  • 島根県海士町 350
  • 島根県雲南市 440
  • 島根県大田市 250
  • 島根県川本町 21
  • 島根県知夫村 300
  • 島根県美郷町 771
  • 島根県益田市 50
  • 島根県安来市 96
  • 島根県出雲市 210
  • 岡山県真庭市 236
  • 岡山県勝央町 2,067
  • 岡山県美咲町 8戸
  • 岡山県津山市 95
  • 広島県三次市 70
  • 広島県庄原市 246
  • 山口県長門市 4,330
  • 山口県下関市 2,790
  • 山口県萩市 2,150
  • 山口県美祢市 437
  • 山口県阿武町 80
  • 山口県宇部市 30
  • 徳島県三好市 1,057
  • 徳島県東みよし町 47
  • 徳島県阿波市 330戸
  • 香川県小豆島町 135
  • 香川県東かがわ町 44
  • 愛媛県四国中央市 2,886
  • 愛媛県八幡浜市 625
  • 愛媛県砥部町 159
  • 愛媛県内子町 324
  • 愛媛県鬼北町 370
  • 高知県いの町 90戸
  • 福岡県大牟田市 54,000
  • 福岡県桂川町 5,903
  • 福岡県上毛町 1,029
  • 福岡県糸島市 3,050
  • 福岡県北九州市 3,930
  • 福岡県築上町 5,100
  • 福岡県田川市 8,000
  • 福岡県嘉麻市 400
  • 福岡県八女市 1,090
  • 福岡県豊前市 2,500
  • 福岡県筑紫野市 19,000
  • 福岡県香春町 4,000
  • 福岡県添田町 4,000
  • 福岡県川崎町 100
  • 福岡県大任町 2,500
  • 福岡県みやこ町 1,900
  • 福岡県赤村 700
  • 福岡県小竹町 3,030
  • 福岡県うきは市 203
  • 福岡県東峰村 183
  • 福岡県朝倉市 1,600
  • 福岡県中間市 14,000
  • 福岡県飯塚市 11,950
  • 福岡県大野城市 23,000
  • 福岡県春日市 及び 那珂川町 23,352
  • 佐賀県唐津市 2,320
  • 佐賀県伊万里市 6,908
  • 佐賀県武雄市 600
  • 佐賀県嬉野市 55
  • 佐賀県玄海町 1,300
  • 佐賀県有田町 7,703
  • 佐賀県江北町 3,200
  • 佐賀県多久市 3,100
  • 佐賀県太良町 29
  • 佐賀県佐賀市 6,000
  • 長崎県長崎市 5,000
  • 長崎県佐世保市 7,200
  • 長崎県諫早市 12,725
  • 長崎県大村市 28
  • 長崎県平戸市 7,000
  • 長崎県松浦市 4,033
  • 長崎県対馬市 4,781
  • 長崎県五島市 10,000
  • 長崎県西海市 2,102
  • 長崎県雲仙市 1,500
  • 長崎県南島原市 4,930
  • 長崎県東彼杵町 24戸
  • 長崎県小値賀町 161
  • 長崎県佐々町 100
  • 長崎県新上五島町 3,600
  • 熊本県八代市 833
  • 熊本県芦北町 1,300
  • 熊本県津奈木町 650
  • 熊本県上天草市 8,000
  • 熊本県熊本市 531
  • 熊本県あさぎり町 645
  • 熊本県天草市 640
  • 熊本県美里町 1,076
  • 熊本県水俣市 150
  • 熊本県南小国町 666
  • 大分県日田市 599
  • 大分県宇佐市 1,560
  • 大分県中津市 25,080
  • 大分県九重町 4戸
  • 大分県杵築市 1,000
  • 宮崎県えびの市 3,209
  • 宮崎県都城市 2,587
  • 宮崎県高原町 58
  • 宮崎県小林市 30
  • 宮崎県五ヶ瀬町 81
  • 鹿児島県霧島市 1,167
  • 鹿児島県伊佐市 5,045
  • 鹿児島県垂水市 5,000
  • 鹿児島県鹿児島市 3,100
  • 鹿児島県薩摩川内市 100
  • 鹿児島県日置市 1,230
  • 鹿児島県さつま町 2,000
  • 鹿児島県長島町 700
  • 鹿児島県肝付町 200
  • 鹿児島県出水市 422
  • 島根県、自衛隊へ浜田市への災害派遣要請(給水支援)。
  • 事業体によっては電話が鳴りやまない状況
  • 破裂箇所調査と、配水池水位低下し回復しないところは計画断水を行なう。
160126
  • 当時の断水判明、8県で約119,000
  • 山口県 約7,000戸
  • 福岡県 約83,000戸
  • 佐賀県 約17,000戸
  • 長崎県 約5,000戸
  • 熊本県 約6,000戸
  • 宮崎県 約1,000
  • 島根県、自衛隊へ安来市への災害派遣要請(給水支援)。
  • 福岡県災害対策本部設置
  • 福岡県、自衛隊へ大牟田市・桂川町・添田町・小竹町・飯塚市・香春町・大任町への災害派遣要請(給水支援)。
  • 宮崎県、自衛隊へえびの市への災害派遣要請(給水支援)。
  • 徳島県災害対策連絡本部設置
160127
  • 13県 約152,000
  • 山口県 約7,000戸
  • 福岡県 約63,800戸
  • 佐賀県 約7,000戸
  • 長崎県 約55,000戸
  • 熊本県 約1,400戸
  • 大分県 約1,200戸
  • 宮崎県 約5,600戸
  • 鹿児島 約10,600戸
  • 気温は上昇。凍結していた水道管内の水が溶けて破損個所からの漏水増加も。
  • 広島県災害対策本部設置、自衛隊へ北広島町への災害派遣要請(給水支援)。
  • 福岡県、自衛隊へ筑紫野市への災害派遣要請(給水支援)。
160128
  • 13県 約89,900
  • 福岡県 31,400
  • 長崎県 28,500
  • 鹿児島県 6,600
  • 佐賀県 5,600
  • 島根県 4,000
  • 山口県4,000
  • 宮崎県、鹿児島県、自衛隊へ災害派遣部隊の撤収要請
160129
  • 九州を中心に中国・四国の一部、合わせて33,800
  • 島根県、福岡県、佐賀県、大分県、自衛隊へ災害派遣部隊の撤収要請
  • 福岡県災害対策連絡本部解散
160130
  • 佐賀県佐賀市 約6千戸で夜間断水
  • 徳島県災害対策連絡本部解散
160131
  • 広島県北広島町 687
  • 長崎県、自衛隊へ災害派遣部隊の撤収要請
160201
  • 長崎県災害警戒本部解散
160202
  • 広島県、自衛隊へ北広島町の災害派遣部隊の撤収要請
  • 広島県、北広島町、災害対策本部廃止
  • 【災害収束】

被害の状況

水道が受けた被害

  • 凍結による管路破損・漏水、配水池水位低下
  • 家庭の屋外の給水管の被害が多く、水道局としては復旧でも、家庭の方で水が出ないケースも

水道による二次被害

  • なし

対応と対策

平時の備え

  • HP等で事前に広報したところもあるが、凍結注意のみで、具体的方法が書いてない場合も。
  • 新しい住宅は水道管を地中深くに埋めたり、保温チューブをまいたりしているが、古い住宅はしてない

応急対策

  • 破裂箇所調査と、配水池水位低下し回復しないところは計画断水を行なう。
  • 計画断水の広報が遅いと指摘を受けたところも。
  • 対応しきれないほど漏水の問い合わせがあった一方、空き家は漏水しても連絡がこないので、把握に手間取る。

抜本対策

  • 厚労省全国担当者会議(160225)で「凍結対策については、寒冷地の水道事業者の取組等を参考にして、充実を図るようお願いする。」として、以下の対策が挙げられる。
  • 給水管、特に露出配管や屋外給湯器などの対策
  • 浅埋設や水管橋等の管路にも留意
  • 凍結対策に関する利用者への啓発、寒気が入る際の利用者への注意喚起
  • 凍結の対処方法の把握と利用者への情報提供

教訓

  • 全国的な寒波で、毎冬需要者も含めて対応している地域に比して、経験のない地域の被害が大きくなった。
  • 個々の需要者の対策により被害を軽減できることから、需要者への対策についての啓発が必要。
  • 上記対策のできない空き家の問題は、今後増えることが予測される。

災害データベース


備考・出典

更新履歴

  • 180821 作成。

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